全国生活と健康を守る会連合会
   
トップページへ 前のページへ
 
 
全生連の紹介
会からのお知らせ
発行物の紹介
暮らしに役立つ制度紹介
各地の生活と健康を守る会
アクセス
 
守る新聞からのおもなニュース紹介 画像

埼玉生活保護基準引き下げ違憲訴訟・東京高裁 勝てたのは仲間のおかげ

原告勝利の流れ続く

はっさく勝利

 東京高裁で3月28日、埼玉県内の生活保護利用者らが、国・県・自治体に対し、生活保護基準の引き下げを憲法25条違反として処分取り消しと国家賠償を求めた裁判の控訴審が開かれ、一審のさいたま地裁判決に続き、引き下げは違法と判断しました。埼玉県生活と健康を守る会連合会の笹井敏子会長の報告です。

バスで東京高裁へ

 3月28日、午前10時30分、原告や支援者らはさいたま市大宮区の桜木公民館前から50人乗りのバスに乗り込み出発しました。12時43分に到着し、東京高裁前集会に参加しました。
 約100人が参集しその後も参加者が増え、91席の傍聴券を求める列には133人が並び、抽選に臨みました。
 午後2時に始まった判決の言い渡しでは、裁判長が「(一審被告・国や県と市の)控訴を棄却する」と述べ、さいたま地裁の勝訴判決を支持しました。
 判決後の報告集会では、弁護団から判決要旨の説明があり、参加した原告10人がそれぞれの思いを発言しました。「10年以上の闘いに勝つことができたのは、仲間の団結と弁護団や支援者のおかげ」と述べ、今年5月から始まる最高裁での闘いに向け「勝利を目指して頑張ろう」と意思統一を行いました。

高裁は6勝4敗

 すでに全国29地域31裁判中、19勝11敗の結果。残すは6月11日、群馬県の前橋地裁だけです。高裁では、前日3月27日の東京はっさく訴訟の控訴審勝利に続き6例目の勝利で、原告勝利の判決が続いています。
 この裁判は、2008年以降の物価下落を考慮した「デフレ調整」と、最低所得世帯との消費実態を比較した「ゆがみ調整」を根拠に、保護基準引き下げを行ったことの正当性が争われています。
 本判決では、一審のさいたま地裁判決の内容とは異なり、「ゆがみ調整」の2分の1処理については、問題性なしと判断。逆に「デフレ調整」について一定の合理性を認めつつも、統計上の数値や、専門的知見との整合性に瑕疵(かし)(欠陥)があり、それを根拠に引き下げを行った厚生労働省の判断にも瑕疵があると判断しました。

(2025年4月13日号「守る新聞」)

 
   
  Copyright (C) 2007 全国生活と健康を守る会連合会 All Rights Reserved.