徳島市 眉山いっせい清掃 「ありがとう」が好循環生む 取り組みが行政動かす
徳島市にある眉山(びざん)は市のシンボル的存在として親しまれています。コロナ禍、眉山の頂上へ車で行ける「アクセス道路」の整備が放置されたため、市議会議員と徳島市生活と健康を守る会の呼びかけでいっせい清掃を行いました。亀川義浩通信員からの報告です。
眉山の道路整備滞る
「眉の如雲居に見ゆる阿波の山」と万葉集にも詠まれた眉山は標高290メートルの山で眺望もよく観光客にも親しまれています。さらに今年、25年ぶりに眉山ロープウェイのゴンドラがリニューアルされました。
眉山の頂上へ続く道路は急カーブ連続の2車線、距離2・8キロメートルで、眉山はほぼ全域が土砂災害警戒区域の危険な山でもあります。さらにコロナ禍で整備が放置され道路が荒れ放題になりました。
日本共産党の古田美知代徳島市議と徳島市守る会が散歩中の人へ聞きとり調査をしたところ、「大雨で谷から流れてきた大岩が放置されて危険」「溝が落石でふさがれ堆積物であふれている」「谷の水を道路下に抜く排水管の内で土砂が埋まっている」「雑草でスペースがなく歩きにくい」「草で溝が見えにくく車が溝に落ちる」など問題点が明らかになり、「これではいけない」との声が上がりました。
土砂取り除き達成感
ボランティア活動が停滞していることも一因なので、古田市議と守る会が結成した「眉山アクセス道路を美しくする会」は「いっせい清掃」を呼びかけ、4月23日の清掃に16人が参加しました。
美しくする会の代表の平岡功さんは「溝は葉っぱの下に落石や土砂があって大変な作業だったが、掘り進んだら排水口が出てきて達成感があった」と語りました。そして、参加者の間では「何か人の役に立ちたいと思って参加した。楽しくできてよかった」と共通の思いを持ちました。
市も大岩撤去など
この清掃は行政を動かしました。市は放置された大岩を撤去したり、雨の後は道路パトロールで排水桝(ます)を掃除するようになりました。標識をつけ、急カーブで見通しが悪く道幅が狭い箇所には道路鋲(どうろびょう)を付け、昼も夜も光って安全に通行できるようになりました。
眉山周辺の人たちの「眉山をきれいにしてくれてありがとう」の声が広がり好循環が生まれています。守る会の林ヒロ子副会長は「地域にも貢献できて、いろんな要求を実現できることを周りの人に話しやすくなった」と話しました。
「眉山アクセス道路を美しくする会」は市の「みちピカ事業」に登録しました。コロナ明けから不法投棄が急増しており、無理のない範囲で不法投棄の除去に挑戦しようと話し合っています。
(2025年5月25日号「守る新聞」)